●当学会は、平
成24年4月5日を以って一般社団法人の認可を受けました。
これにより、「一般社団法人 日
本安全保障・危機管理学会」が正式名称になりました。
設 立 : 平成17年4月1日
所在地 : 東
京都千代田区九段南4-6-13
ニュー九段マンション10階 1001号
目 的 :
この学会は日本国民全体を対象とし、安全保障および危機管理に関する
理論とその応用・実践についての研究を深めつつ、有為な人材を育成し、
大学、自治体および企業等へ送り込むことに寄与することを目的とする。
活 動 :1.定期的な研究会の開催
2.定期的な学術講演会、セミナーの開催
3.インターネットのサイトを利用した学会誌(論
文)・機関誌の発行
4.安全保障・危機管理の公的資格付与に関わる協力
5.学位取得に関わる協力
6.調査研究(委託および受託を含む)
7.安全保障、危機管理に関する啓蒙教育およびコンサ
ルト事業
8.その他、目的を達成するために必要な事業
定款はこちらからご覧いただけます → 定 款
「JSSC運営委員会について」
〈JSSC運営委員会報告〉
本学会では平成19年1月以降、学会事業の推進並びに会長及び理事長以下顧問・
理事等全員の意思疎通のため毎月1回づつ、会長以下13〜15名
の参画を得て運
営委員会を実施しております。
平成19年11月までの活動状況については、既に本学会ホームページ及び機関誌
「安全保障と危機管理」でご報告させて頂きました。
その後、平成25年1月までの運営委員会の活動状況についてご
報告申し上げます。
1 全般
平成19年度総会でご承認戴いた事業計画の実現のため、限られた理事等のご尽
力により、活動も初期段階を脱却し、学術会議メンバーへの入会検
討を含め、本格
的検討段階に入ってまいりました。次のとおりかなりの実績と進捗
を見ております。
また会勢拡大のため、25年度末1000名を目途に会員募集の結果、個人・法人合わ
せて会員数約650名となっております。感謝しますと共に引続き
ご協力お願い致しま
す。
2 理論と研究に関すること
安全保障・危機管理に関する本学会としての基本的な理論をまとめ共通認識を図
るため、運営委員会が中心となり準備中です。会員のアンケート結
果を反映して、
各期1回、年4回のセミナーを計画どおり実施致しました。内容は
安全保障関係と
危機管理関係各1テーマづつです。
19年6月にホームページを開設し、以降、逐次、改善・充実に努めております。
機関誌創刊号を19年9月に、25年2月には機関誌23号
(2013年春号)をそれぞれ発刊
し、会員にお渡しすることが出来ました。なお機関誌に掲載する広
告協賛者につき、
引続きご協力をお願い致します。また、『月刊セキュリティ研
究』・『セキュリ
ティ産業新聞』への寄稿も順調に進捗しております。19年夏の
J-SOX法に引続き、
民間防衛、セキュリティ、医療などに関する研究・発表会の開催準
備中です。
3 応用と実践に関すること
自治体・企業等に危機管理等の中心となる人材養成のため、「クライシスマネー
ジャー」・「安全保障・危機管理士」の教育及び資格審査の後、資
格付与する計画
です。現在、教育計画・教材を整備すると共に資格名称の商標登録
を申請し、一部
承認を頂いている状況です。
更に安全保障・危機管理分野の「修士」及び「博士」の学位取得者を養成するた
めに募集情報提供、パンフレット配布する等協力し、入学希望者を
募っております。
部外講演支援や調査研究受託等のため、これら有為な人材も含め講師を把握し、
提言・教材等を準備中です。皆様のご協力をお待ちしております。
平成20年度の本学会事業計画、各委員会等組織創り、理事等の人事刷新等、学
会理事会及び総会提示案の検討を致しました。
憲法第9条問題を正視せよ
日本安全保障・危機管理学会会長
拓殖大学総長・学長 渡辺 利夫
国防は、もちろん憲法の中でも中枢を占めなければならない観念です。しかし、この中枢的観念が、とてもまっとうなものとは思えない、そういう重大な欠陥を現憲法は抱えてお
ります。
もちろん自衛隊を我が国ははもっていますが、これが合憲か違憲
かというテーマが論じられてもう久しいことはご承知の通りであります。しかし、いくら論じようとも、自衛隊
という大兵力が憲法第9条からみて違憲であることは、最低の言語知識からいって間違いないことです。
しかし、国家である以上、国家を外敵から自衛しないわけにはい
かない、そのためには武力をもたないわけにはいかない。現に我が国の自衛隊の通常戦力のレベルは、世界でも
引けを取るものではありませんし、隊員の士気や練度からみても世界有数のものです。どうみても、自衛隊は高
度の「戦力」です。
ところが、これを「戦力」といったのでは、第2項の「陸海空軍
その他の戦力は、これを保持しない」という条項に抵触してしまう。それゆえ、世界でもトップクラスの武装集
団を、「戦力」ではなく、「戦力」にいたらない自衛力、憲法に抵触しない、つまり憲法によっても「保持しう
る自衛力」だというのです。これが、日本政府の自衛隊合憲説の解釈です。この解釈は内閣法制局によって長ら
く踏襲されてきました。
ところで、「保持しうる自衛力」とは何かというと。自衛のため
の「必要最小限度」のものだというのです。それでは必要最小限度というのはどの程度のものかというと、「相
手国の壊滅的な破壊のために用いられる攻撃的な兵器とはならない程度」だというのです。
少し具体的にいいますと、他国に届く地上配備型の対地長距離ミ
サイル、巡航ミサイルを発射する潜水艦などは保持できない。また、敵基地に達するまでの距離をもつ戦闘爆撃
機や、敵基地をたたく精密弾道弾を搭載した海自艦船も保持できない、というのです。
必要最小限というのがここでのキーワードですが、さらにいいま
すと、「海外派兵」はもちろん必要最小限度を超えるという考え方ですし、集団的自衛権もこれを行使すること
は憲法9条で許される範囲を超えるからこれもだめだ、ということになります。
常識的な言語感覚からみて明らかに違憲のものを合憲と言い募る
ために、ありとあらゆる知恵を絞ってひねくりだしたものが政府解釈というものです。集団的自衛権はこれを
「保有しているが行使できない」などという解釈は、もうよくそんなこと平気でいえるなあ、といった類のもの
です。
サンフランシスコ平和条約により主権国家として独立した時点
で、憲法改正を敢えてやらず、不作為を長年つづけてきたことのツケは、もう明らかです。現憲法で中国や北朝
鮮の好戦的な対日行動に対応できないことは、もはや自明のことです。政府の無理に無理を重ねてきた解釈、政
府解釈の無理はもう覆いようのないものとなっています。
この無理は、誰よりも内閣法制局が一番よく知っているのではな
いかとも思われます。産経新聞社の「国民の憲法」の起草委員会のメンバーでもあった西修教授は、ご著書の中
で「案外、憲法改正を望んでいるのは、内閣法制局自身であるかもしれない」と書かれていますが、解釈の無理
を一番よく知っているのも内閣法制局なのでありましょうから、私も西先生と同じように感じます。
憲法のまさに中枢の中の中枢である国防のところでの、このいか
にも無理に無理を重ねた解釈を施して、これを繰り返すというのでは、憲法という主権国家の最高法規の権威を
毀損させ、法治国家の大系を危機に貶めるものだといわざるをえません。
日本安全保障・危機管理学会の発信力が高からんことを切に祈っ
ております。
“実学の精神”とともに
新たなスタートを
日本安全保障・危機管理学会
理事長 二見 宣
日本では昭和20年に、広島、長崎に原爆が落とされまし
た。しかし、
再発した場合の対処方法については、全く考えていません。
ヨーロッパでは核爆発時の対処について、小学生に入った時にパ
ンフ
レットをもらいます。核が爆発したらこうしなさい、ああしなさい
とい
う絵本になっており、基本を知っているのです。
また国としても、例えばフィンランドだったら、国民の87%ぐ
らいが
シェルターに入れます。
スイスでは一流のホテルには地下にシェルターがついています。
欧米では、対処しているのです。
韓国も3年程前から鉄筋コンクリートの建物を作る場合、シェル
ター
をつけるという法律を作りました。しかし、原爆を落とされた日本
だけ
が、何もやらないのです。私はこれが不思議でしようがないので
す。
現に、反日で、核兵器を保有している中国や北朝鮮という隣国が
存在
しています。当然、「防護処置」と「反撃力」を保持しなければな
りま
せん。
シェルターと言っても普段はさまざま用途に使用されています。
フィンランドでは、音楽堂などがシェルターになっています。音楽
堂は、
雑音が入らないように窓は必要ないのです。普段はコンサートホー
ル
として、コンサートやオペラで使用しています。
避難所も普段は、地下駐車場として使用しています。
スイスでは、警報が鳴ったら20分以内にシェルターになりま
す。だか
ら警報が鳴るまでは、シェルターを物置等いろいろと使っている訳
です。
このように、普段も使いながら、いざという時にはシェルターにな
るの
です。
アメリカの陸軍情報学校に留学中に、すぐ近くの学校でシェル
ターに
避難する訓練を見学しました。当時はまだベトナム戦争が華やかな
りし
頃で、米ソ対立の時代でした。アメリカは、小学校から、中学校―
高校
の順でシェルターを整備したようです。
欧米各国は対核爆発準備をしているのですが、日本はそういう準
備は
全くしていないし、核兵器について議論をすることもしません。原
発事
故や災害についても同じような程度です。
3月11日の東日本大震災のときに、ちょうどビッグサイトに行
く途中
でした。外資系企業の社員はヘルメットを着用していました。とこ
ろが
日本人企業の社員は普段の姿でした。日本人は、企業を含め危機対
応が
鈍い国民です。今のままでは、犠牲者が増える一方です。
さらに、少子化・人口減少傾向を考慮すると、日本の将来が憂慮さ
れ
ます。
日本安全保障・危機管理学会は、自衛隊、警察、消防、公安調査
庁
等、いろいろな危機に対処している実働部隊に勤務し、実際に経験
し
た者が、自分たちがやってきたことのノウハウを広めようという
「実学の学会」です。神学論争や犬の遠吠えはやりません。
本学会の目指す高い「実学の志」をご理解いただき、引き続きご
支援・
ご協力を賜れば幸いです。